安定性を高めるためのlanケーブルの内部構造
lanケーブルの内部には8本の芯線が通っています。
この芯線には2種類あり、7本の銅線をより合わせ1本の芯線にしたものは「より線」と呼ばれます。通信の安定性は低いものの、ケーブルが柔らかいので取り回しやすく、狭い場所などの敷設に便利でしょう。1本の銅線で成っているものは「単線」と呼ばれ、固いので取り回しにくいですが、通信の安定性が高いので10m以上の長距離の敷設に適しています。さらに単線は、高速通信に適しているともされます。それは次のような理由からです。信号には、周波数が高くなるほど導線の表面を流れていくという性質「表皮効果」があります。より線はその構造上、表面が凸凹しているので信号が流れにくいのですが、1本の銅線で成っている単線では、滑らかな表面を信号がスムーズに流れていくことが可能です。lanケーブルには、通信を安定させるためのノイズ対策として、内部にいろいろな処理がされています。
現在広く普及しているCAT6のlanケーブル内部には、「ツイストペアケーブル」や「セパレーター」といったものが施されています。ツイストペアケーブルとは、8本の芯線を2本ずつより合わせて4対のケーブルにするものです。こうすることで、それぞれの芯線から発生されるノイズを打ち消しあう効果が得られます。セパレーターは、ノイズを発生する4対のケーブルができるだけ離れるよう(影響し合わないよう)に真ん中に設置されています。CAT7以降では、さらなるノイズ対策としてSTP(ShieldedTwistPaircable)という処理がされています。これはツイストペアケーブルをアルミ箔で保護するというもので、価格は高くなりますが通信の安定性は増します。ちなみに、保護されていないものはUTP(UnshieldedTwistPaircable)と呼ばれます。